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「校長先生から」カテゴリの記事一覧

開校記念日(創立135周年)に寄せて

2020年05月16日校長先生から

校長 式辞

2020年04月09日校長先生から

 陽射しにやわらかな春の兆しが感じられる季節になりました。ご存じのように、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、本校は、国や北海道が示しているガイドラインに沿って、様々な配慮のもとで学校を再開しております。そのような中、本日、規模縮小とはいえ、このように北海高等学校の令和2年度入学式を挙行できますことは、私たち教職員にとりまして大きな慶びであります。
まずは、狭き門をくぐり北海生となった365名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。私たち教職員はもちろん、皆さんの先輩となる2年生・3年生も、皆さんの入学を心より歓迎しております。この学び舎で新しい友と出会う。そして高校生活を通じて経験するものは、皆さんのこれからの人生にとって大きな価値になることを確信しています。多様性を認め合う時代、これからの出会いに本気で向き合うことによって、何物にも代え難いものを、皆さん自身の中に体得できることを大いに期待しています。
 北海高校は、1885年(明治18年)に創立された北海英語学校を起源とし、創立以来、今日まで135年の歴史を刻んできました。4万人を超える卒業生は、北海高校の卒業生であることを誇りに、さまざまな方面で、社会の優等生として活躍されています。本校は名実ともに北海道を代表する私立高校であり、その名は全国でも知られています。
 新入生の皆さんは、このような北海高校の歴史に新たな青春の1ページを加えることとなります。皆さんが、この北海高校を青春の舞台として、自からを磨き、輝かせ、互いに励まし合い、助け合いながら、自律した若者として成長することを心から願っております。
 さて、皆さんは今、高校生活のスタート地点に立っています。皆さんそれぞれにこれから始まる高校生活に夢や希望を抱いていることでしょう。不安もあるかもしれませんが、何よりも大切なことは、義務教育を終え高校に入学した今この時が、自分自身の人生を自らデザインしていく、自律した自分づくりのはじまりに他ならないのだという自覚を持つことです。
 新入生のみなさんが、北海生としてスタートするにあたり、三点お話ししたいと思います。
まず一つ目は、「自分の持つ才能」を発見し活かしていくということです。私たちは、自分でも気づかない才能をたくさん持っていることを知らずに過ごしてしまうことが多くあります。まだ知らない自分を発見するためには、積極的に自分と向き合うことと新たなものにチャレンジする勇気がとても必要です。北海高校には古くから、生徒が主体となって行動していける自治の精神と、お互いの個性と努力を認めあい、深い絆を創っていくことのできる人間教育の基盤とその環境があります。学習活動はもちろんですが、生徒会活動や部活動などを通じてそれらを発見し、ぜひ自分の成長に活かしてもらいたいと思っています。
二つ目は、本校の建学の精神をよく理解し、自らの目標の実現に向けて邁進することです。人は正しく目標を定めることができれば、その達成に向かって地道な努力を重ねることができますが、自分への理解が不足していたり、時に自分への甘えから妥協することを覚え、成功よりも失敗の体験を多く重ねていってしまうことで、やがて自信を失い、自分の可能性を自分で否定してしまうようなこともあり得ます。そういう意味で、私たち人間は、実に弱い者であるということを自覚しておかねばなりません。ですが、これまで北海高校に学んだ多くの先輩達は、本校の建学の精神である「質実剛健・百折不撓」を自らの中に取り込み、互いを励ましあって、夢を夢で終わらせずそれぞれに自己目標を実現させていった人たちが数多くいます。
「質実剛健」とはうわべを飾ることなく誠実であり、心身ともに強くたくましいという意味です。「質実」であることは、信頼される人間であるための基礎であり、「剛健」であることは自分らしく生きるために不可欠なことです。また「百折不撓」は何度失敗しても挫折してもくじけないという意味です。北海生の誇りは失敗しないことや挫折しないことではなく、失敗しても挫折しても、決してそれにくじけないことにあります。皆さんも、何のために学ぶのか、何のために進学するのか、自分らしい生き方とは何か、社会の中で自分をどう活かすべきか、などについてじっくりと考え、正しい目標設定を強い信念にかえて進んでいって欲しいと思います。
三つ目は、「良い習慣」を身につけるということです。基本的生活習慣が守れることは「自己管理能力」が備わっているということになります。一見簡単そうなことですが、それを継続できることは十分評価に値します。また、毎日の家庭学習、礼儀やマナー、読書の習慣はとても重要です。将来、進学して自分の好きなことに対して学びを深めるためにも、グローバルな社会で仕事をしていくためにも、その基礎になるものとして、必ず備えていかなければならないものが、これらの習慣化の中で身に付きます。勉強をする上で、難しいと感じることがあっても、必ず継続は力になります。挨拶は好ましい人間関係を作り出すきっかけにもなりますし、良い本との出合いは、他者の考えを知るだけではなく、己を客観的に見ることができたり、目標を明確にさせて、そこに近づくための原動力にもなります。皆さんには、これからの時代に相応しいコミュニケーション力と幅広い教養を「生きる力」として修得し、自らの人生を豊かにしてもらいたいと思います。
 北海高校での三年間には、自分づくりのきっかけとなるもの、糧となるものが数多くあります。ぜひ積極的な姿勢で高校生活に臨み、確かな自分といえるものを創り上げてください。そのために、私たち教職員も精一杯、皆さんをサポートし、この三年間、皆さんと共に歩みたいと思いを新たにしております。
 結びとなりましたが、保護者の皆様にはお子様の教育を本校に託していただき、心よりお礼を申し上げます。ご期待にそえるよう教職員一同力を尽くして日々の教育に取り組んでまいります。今日から始まる北海高校での三年間の生活が、新入生の皆さんにとって人生の確かな土台となることを心から願い、以上、式辞といたします。

令和2年4月9日 北海高等学校長   秋山 秀司

校長講話

2020年04月08日校長先生から

みなさんおはようございます。新年度なので、全てにおいてリフレッシュした気持ちで今日の始業式を迎えたかったのですが、新型コロナウイルスに関しては、依然として終息の目途が立たない状況にあり、私たちはまだまだウイルスの脅威と様々な不安を感じています。しかしこの間、このウイルスの特徴や、感染予防方法など、完全ではありませんが少しずつ判ってきていることもあります。この先も社会情勢には十分な注視が必要ですが、私たち一人ひとりが、このウイルスに対する正しい知識と常識ある行動を責任持って果たすことにより、日常を取り戻していきたい考えています。ぜひ皆さん自身の健康管理を徹底すると共に、学校はもちろん家庭においても、周りへの十分な配慮を意識して行動してほしいと思っています。どうぞご協力ください。
 さて、話は変わりますが、今年の札幌における桜の開花予想日は4月28日だそうです。この開花予想には、ある法則性があることを知っているでしょうか。その年の2月1日以降の最高気温を足していく中で、その累積温度が600度を超えた日に開花するという考え方です。累積温度には諸説あるらしいですが、この予想の仕方は大変精度が高いものだそうです。こういった科学的根拠が明らかになっている一方で、先日、私は、相田みつをさん の日めくりことばに「どんな雑草にも 時期がくれば だまって自分の花を咲かせ 自分の実をつける」ということばに目が留まりました。大変ポジティブなことばですし、直感的に「質実剛健・百折不撓」の精神を大切にし、雑草のように強く、全国どこにでも花を咲かせるタンポポにも例えられている北海生には、よく馴染むことばだと感じました。とはいえ、このことばの中で出てくる「時期」についてですが、それは決して、いつの間にかやってくるものではないということを、しっかり受け止めておかなければならないと思います。その「時期」は、ただ待っていればよいのではなく、物事を大成させるには、毎日の積み重ねが大切であるように、必ず具体的な行動が求められていることを忘れてはいけません。命あるものは、その命を絶やさないように自然の中で、また置かれた環境に適応しながら生きています。それは、例え雑草であっても、私たちが見過ごしているだけで、きっとひたむきに生きているということを感じずにはいられません。植物は、決して私たち人間を楽しませるために花や実をつける訳ではありませんが、私たち人間は、その美しく綺麗な花を愛でて、心を癒されたりしています。そのために私たちは植物を育てようとしますが、当然、花を咲かせるためには、正しい知識で水やりをしたり、日光に当てたり、肥料や剪定を行うことが不可欠です。つまり、理想の花を咲かせようとするなら丹精を込めることがとても大切です。
高校生である皆さんも、3年間という限りある生活の中で、自ら希望する進路を実現しようとするのであれば、自分の置かれた環境をどう活用していくべきか、周りからどんな力を借りる必要があるのか、具体的に取り組むべきものは何か、その見極めと主体性が大変重要となります。
私たちは植物とは違い、ものごとを深く考え、強い意志を持って自ら動くことのできる人間です。自分の人生ですから、自分自身と向き合う時間を大切にして、この一年の行動と努力が実り、将来、納得のいく花を咲かせるようにしたいと願います。一年の始まりですから、心を新たにして動き出していきましょう。

年度初めの話はここまでとして、次に学校生活再開のための留意点について、具体的な話をします。大変重要なことですので、静かに聞いてください。

(以下、中略)

最後に、学校には色々な事情を持っている人がたくさんいます。絶対に自分を中心に考えないでください。このような社会状況が続く中で、みなさんには、あえて色々なことに気が付いて欲しいと思っています。例えば、健康管理の方法や危機管理について学ぶ大きなチャンスであるのかも知れません。更には、コロナ感染に関係する言葉による冗談や嫌がらせ、差別を意識させる言動などが社会でも問題視されていますが、思ったことを直ぐに発信できる時代において、皆さんには良く考えて、正しく行動できるスキルを身につけて欲しいと思います。北海生であるがこそ、世の中には、このウイルスによって、大変な状況におかれている人たちが大勢いることを心に留めて、自分たちのできることを一つひとつ取り組むのだということを大切にして、他者を思いやれる青年、信頼される青年であるべきです。ぜひこの機会に私たちの人間力を高めていけるよう努力しましょう。

校長講話

2020年03月21日校長先生から

今日は令和元年度の修了の日です。節目と考える大切な日ですので、本来なら厳粛な気持ちでこの一年をしっかり締めくくりたいところですが、新型コロナウイルスの感染症拡大の防止と皆さんの健康を第一に考えて、このように放送による修了式となりました。皆さんには約2週間に渡り、基本、各家庭において課題に取り組んでもらうことになったため、ストレスも溜まってしまっているのかも知れません。また、学年末試験が無くなったり、ブロック大学の語学研修も中止になってしまったことは、学校としても残念でしかたがありません。生徒の皆さんにも本当に申し訳なく思っています。しかし、この間、皆さんは時間の大切さと本当の意味での自己管理の難しさ、本来の「学び」に対して様々なことがらを考えるきっかけになったのではないかと思っています。学校において最も大事なものは授業ですが、自ら学ぶ姿勢こそがその前提にあることを、改めて理解して今後に活かしてください。

さて、今日はこの一年の成績発表の日でもあるので、評価に関する話をしたいと思います。皆さんは年間で何度か模擬試験を受験していますが、受験後に返却される答案と成績表のうち、何に重点を置いて振り返りをしているでしょうか。ただ手元に戻って来た瞬間、成績表にある偏差値や校内順位、志望校の判定だけを見て一喜一憂している人が結構多くいるように感じています。本来ならば答案の内容に対して、どこがどれだけできていないのか、なぜそうなったのか、次への対策として何に意識して取り組めばよいのか、今後どうなっていけるのかなど、自分と向き合って目標や計画をじっくりと考えることが大切です。同じように今日皆さんが受け取る通知箋も五段階評価の数字だけを気にしていては、具体的な次の行動について考えることもなく、そもそも学習に対しての考え方や物事に対する姿勢など、基本的な生活習慣に対する修正案は見出せないと思っています。まして、その表面的な評価だけを過大視し過ぎると、例えば、「自分は何をやっても、どう頑張っても結果が出せない」などと考え、もはや取り組んできたものへの評価ではなく、人間としての評価へと勝手に置き換えてしまうことで劣等感という妄想を持ってしまうことさえあります。

私は、評価を正しく次に活かすには、他者からの客観的な評価を参考にしながらも自己評価をすることがとても大切だと思っています。自分と向き合うということは、頭の中で広く、深く様々なことがらを振り返ることになります。また、振り返りには、どちらかというと反省点が主になりがちですが、良いことに対しても振り返ることの意義は大きいと考えます。正直、成績が上がったことを他者から評価されると気分もいいですし、その慶びは自信となって、次につなげられるものになっていきます。こういった成功体験であっても、なぜ出来るようになったか、自身で納得しておくことが重要です。せっかくの成功体験ですが、その根拠を知らずに過ごしてしまえば、出来ていたものがまた出来なくなることも十分あり得るのだと思うからです。

私たちは一年を通じて中期的に振り返りをする機会を持っていますが、本当は普段から学習活動や部活動、すべての行いにおいて常に自己評価することが必要であり、その中で納得感を積み重ねていくことが理想です。実は、皆さんが取り組んでいるスチューデントプランナーは、その日々の自己評価を積み重ねる訓練に他なりません。納得感を重ねることは、将来、自分が自信を持って飛躍するための足場を踏み固めるようなものですので、僅かでも向上しているという実感を持ってもらいたいです。そうすることで劣等感のような不必要な感情を持たなくてもよいことになります。

禅のことばに、莫妄想(まくもうぞう)という言葉があります。「もうぞう」は「妄想」のことです。マクという字は北海高校の校歌の一番目の歌詞に「寂莫の冬去りて」とありますが、この寂莫のバクという字です。寂莫とは、ひっそりと寂しいという意味ですが、「莫」には、「何々するなかれ」という意味があるので、莫妄想は、「決して妄想することなかれ」となります。妄想とは、何かの思いに捕らわれて、それに縛られてしまうことです。妄想が入り込みやすいものは、強い憧れであったり、また先ほども触れた劣等感など多々あります。憧れることは、自分もそれに近づこうと努力できれば悪いことではありませんが、努力をせずに思いだけを膨らませることは、むしろ身動きがとれなくなります。これは皆さんが志望校を考える際、一切の努力もせずに、目標設定だけは高く持っているような場合があれば、それも同じことと考えられるでしょう。
禅の世界では、修行に努力することで莫妄想の境地に至ろうとしますが、この修行で大切にされていることは、一つ一つの取り組みが丁寧で、心を配って目の前のことを淡々とこなすことだとされています。心を配って行動することとは、決して自己中心的で我がままなものではありません。むしろ周りのことを十分に考慮して行動することです。それは端的にいうと「作法」や「型」、違う言い方をすると「フォーム」といわれるものです。実際、柔道や剣道など、道という字がつくものには、すべてにおいて他者を思いやる礼儀、感謝、自己を律する精神が強く表れています。私たちが劣等感のような自縄自縛の姿に陥らないためには、日常において規則正しい生活を送る、その型やフォームを大切にすることだろうと思います。高校生である皆さんの仕事は、主体的に学習することであり、他者の考え、多様な考えを理解して様々な環境で多くの経験を積むことです。その意識の下で、まずは自分が設定したことに責任を持ち、コツコツと習慣化させる。それが皆さんにとって莫妄想への確かな一歩となり、自己目標を実現するための必須の条件だと思います。明日から春休みですが、規則正しい生活が維持していけるよう、改めてこの一年を正しく自己評価し、不足していることに対して具体的な考えと取り組みをする、そんな春休みとしてください。

卒業式 校長 式辞

2020年02月29日校長先生から

おはようございます。校長の秋山です。
今朝は大変寒い朝でしたが、確実に春の気配を感じる季節になりました。3年生の皆さんは、昨日まで受験準備期間として、各々の進路の実現のために行動し、新年度からのスタートに備えて課題に取り組んだり、まだまだ受験の真っ最中ということで、時間を惜しんで机に向かっていた生徒もいたと思います。いずれにしても、皆さんの高校生活最後の頑張りに心から敬意を表します。
昨夜、皆さんにはホームページ等で急なお知らせをさせていただきました。皆さんもご存じの通り、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、北海道から非常事態宣言が出されました。これを受けて、本日は各教室で担任の先生からの北海高等学校・第72回卒業証書授与式を行うことにいたしました。これは学校としても断腸の思いの決断であり、今日の日を特別な思いで迎えられた皆さんと皆さんのご家族も遺憾に堪えない気持ちでいるものと思っております。大変残念なことですがどうかご理解ください。この後は、私から、皆さんにはなむけの言葉を述べさせてもらいます。
まずは、令和最初の記念すべき卒業生となる、第72期生442名の皆さん、卒業おめでとうございます。
私たち教職員もこの上ない慶びでこの時を迎えています。今、皆さんの胸の中には、北海高校での生活の様々な思い出が蘇っているのではないでしょうか。楽しかったことばかりではなく、辛かったこともたくさんあったと思います。しかし、北海高校での出会いと多くの経験から、発見や思考を繰り返してきた皆さんは、確実にこれからの時代を生き抜く力を身につけられたと、私たち教職員は強く信じています。この三年間、卒業生の皆さんが取り組まれたもの、その活躍には目を見張るものがありました。例えば、サッカー部は、昨年12月、第98回全国高校サッカー選手権大会への出場を果たしてくれました。11年ぶり10回目となる伝統校の復活です。試合では、ひたむきにプレーする選手はもちろん、仲間を信じ、心から応援するその姿勢は、実に清々しく立派なものでした。「素晴らしい選手である前に素晴らしい人間であれ」日頃からそう意識されているものが、見るものを魅了しました。また、昨年夏のインターハイには、サッカー部をはじめ、柔道部、陸上競技部、新体操部が、そして、今年一月の開催となった冬季インターハイには、フィギアスケート部門に出場をしました。中でも柔道部は、男女ともに団体で出場し、女子個人で佐々木南さんが全国3位となって校名を高めてくれました。一方、文化部においても全国大会の常連ともいえる弁論部や写真部を筆頭に多くの部がめざましい活躍をしてくれました。更に、個人の活動も実に活発でした。例えば、弁論部員でもある上田礼芽さんは、自分の視野を拡げようと外務省のユース非核特使として委任されている高校生平和大使に応募し、日本代表としてスイスの国連欧州本部を訪問して、核兵器廃絶と平和な世界の実現をめざす活動に参加しました。また、駒津柚希さんは、全日本歌唱王選手権に出場し、持ち前の歌唱力と磨き上げた英語力をもって、みごと優勝の栄冠に輝いています。後に聞くと、駒津さんは英語の授業での楽しさをきっかけに、本校の国際教育の一環であるカナダブロック大学の語学研修へ参加し、さらに現地での交流から洋楽に関心を持ったとのことでした。このように北海に学び、いろいろなものを活用しながら、それぞれの個性を伸ばし、更には潜在している能力を開花させてくれたこと、どれも学校として大変嬉しく誇りに感じるものです。
さて、北海高校は、道内はもちろん国内外において、有為なる人材育成を目的に、1885年(明治18年)に開かれました。初代校長の浅羽靖先生・二代校長の戸津高知先生らが、今日の北海高校の礎を築かれました。明朗快活の中に伝統を重んじ、いかなる苦境をもこれを排除して、何事にも屈することなく前進する「百折不撓」と「質実剛健」の校風を持ち、「確かな基礎力と行動力とを共に兼ね備えた人材、いわゆる「北海健児」を育成することに全力を傾けてきました。それは今年、創立135年目を迎える現在においても、なお変わらず受け継がれてきているものです。
すなわち、皆さんは北海高校の建学の精神の基、ここにいる多様な教師と友人との出会いの中で心身ともに鍛えられ、自らも鍛えてきたことに他なりません。卒業とは、新たな始まりでもありますが、皆さんには北海高校で過ごした実感を大切に、自分に対する自信を持って社会の中で物言える人物になって欲しいと思っています。
自己の人間性を発揮する場は、何であってもよいと思います。将来それぞれが置かれた場所や環境で責任を持ち、自己の特色が発揮できる人生であってください。自分と向き合うことを大切にするならば、たとえそれが遅咲きの花であっても構いません。北海高校時代に培われた基礎力が人生の土台となり、いつかは必ず実を結び、生涯を通じて見事に花を咲かせ、世の為になる人材になってもらいたいと心から願います。
皆さんがこれから歩んでいく社会は、少子高齢化が進み、経済・社会のグローバル化の波が押し寄せ、人口知能やロボット、再生医療など新たな科学技術が進展する一方、震災からの復興、エネルギー問題、安全保障など様々な課題と向き合っていくことになります。間違いなく私たちの生活環境や働き方は、大きく変化をしていきます。このような予測不能な時代を生き抜くために、皆さんには「しなやかでたくましい」人格を備えてもらいたい。つまりは人間力の形成です。人間力とは人間としての幅や深さのことであり、教養といってもよいでしょう。教養という知的階層を自分の中に持つことは、思考の軸を正しく認識できるようになります。これを土台として社会や時代の変化に柔軟に対応できる力、多様な価値観を持つ人々との人間関係を築くとともに、様々な人種や文化を理解できる感性。そして人類が平和的に暮らしていくための幅広い知見を持ちながら、紛争が絶えない世界に独自の価値観で平和をもたらすことのできる新たな発想。そんなしなやかさを身に付けることにつながります。そのためにも、皆さんには地道に自分を磨くこと、常に自分を変革していこうという志を持つことが重要です。イギリスの生物学者であるダーウィンは、自身の著書「種の起源」の中で、進化の過程では、「最も強いものが生き残るのではなく、最も賢いものが生き残るものでもない。唯一生き残るのは、環境に合わせて変化し続けるものである」と述べています。まさにこれからの新しい時代を生きる私たちにとってヒントになり得ることばです。
 卒業生の皆さん、激励の意味をこめて、最後にもう一つことばを贈ります。
「前途は遠い。そして暗い。しかし、恐れてはならぬ。
恐れない者の前に道は開ける。」
これは、大正時代に活躍をした作家で、「或る女」、「カインの末裔」などで知られる有島武郎が、これから独り立ちしていく自分の子どもたちへ向けて、どのように生きていくべきか、勇気を与える意味で綴られたことば「小さき者へ」の中の最後のフレーズです。
前途を祝す卒業式の日に、「皆さんの未来は明るい」とエールを贈る方が良いのかも知れませんが、現実には世の中は混沌とし、本当に未知なるものです。そこに船出をするには不安が伴います。人間であるが故に自分の弱さを実感し、時に折れそうになることもあります。しかし、何事にも限りをつくして、正々堂々とその困難に立ち向かう「百折不撓」の精神が、皆さんの人生のよりどころにあるならば、臆することはありません。北海高校の卒業生としての誇りと自信を持って、強く、たくましく、自分らしく生きてください。
結びになりますが、皆さんが今日の日を迎えられたことは、決して一人ではなし得ないことだということを改めて心に留めてください。今日帰ったなら、ぜひ、これまでの感謝の気持ちを家族の方に伝えて欲しいと思います。少し照れてしまうかも知れませんが、皆さんが本当に大人として成長したところを表現してみてください。きっと喜んでくれるはずです。
卒業生の皆さんの健康と幸せ、そして益々の健闘を祈念して、以上私からのはなむけの言葉とします。

令和2年2月29日   
北海高等学校長 秋山 秀司

校長講話

2020年01月17日校長先生から

皆さんおはようございます。冬休みが終わって今日から授業が再開されます。ただいま表彰がありましたが、これ以外にも冬休み中には全国大会をはじめ、団体でも個人でも北海生の活躍があったことを見聞きしています。また、休み中の学校内では、3年生のラストスパートで頑張る姿が多く見られました。そのひたむきに努力する姿を見て、やるときはやる北海生らしさを感じ、大変うれしく思っています。

今日からは、新年になったという節目と、いよいよ学年末に向かっていくという意味からも、ぜひ「勉強を大切にする」その姿勢づくりに更に努力する。そんな学校を皆で作っていって欲しいです。改めて、3年生は明日からのセンター試験をかわきりに、いよいよ入試本番となります。最後まで自己目標の実現・志望校合格に向けてベストを尽くし頑張ってください。良い結果となるよう心から祈っています。1・2年生諸君は、春休みを含むこれからの過ごし方が大変重要です。今までやってきたことを基礎に、徐々に実力養成の時期になります。それは将来の自分のあり方を決定づけるものになります。そのことをしっかり自覚した生活をして下さい。

さて、今日はいざとい時に発揮させたい力、「潜在能力」について少し話をします。私たちは「自分の持っている能力がどんなものか、実は解っているようで解っていない。それが現実のようです。このことは、脳科学者の茂木健一郎先生も話されていました。

ことわざで「火事場の馬鹿力」というのを聞いたことがあるんじゃないか思いますが、その由来は、「ひとたび火事などが起きて、気が動転すると、思いもよらない力で重たいものを外に運び出した」なんていうことがこの言葉の説明になっています。実はこういった事例は本当にあるらしく、普段から強い思いを持っている場合、いざという時に脳内にある制限(リミッター)が一時的に解除されて、似たような力を発揮することがあるといいます。

逆にいえば、普段から「出来ない」「無理だ」と決めつけてしまっていれば、もう無意識のうちにその行動にブレーキをかけ、力は出せないということになります。つまり、私たちの普段の生活では、本来持っている能力の限界よりも、ずっと低いレベルの力で生活していることになるのでしょう。まだまだ出せる力が残っているのに、脳が設定したレベル以上の力が出せないのは、私たちの「思い込み」に他ならないといってよいのかも知れません。

詩人で、画家としても有名な星野富弘さんという方がいます。星野さんは群馬県で中学校の体育教員でしたが、部活動の指導中に事故に遇い手足が不自由になってしまいました。事故直後は当然、「夢も希望もない」という状況です。せっかく体育教員となり、人に感動を与え、人を育てることを使命と考えていた訳ですから当然です。しかし、星野さんは気持ちを伝えようと、口に筆をくわえて字を書くようになります。はじめから上手なわけではありません。しかし、続けて絵も書き始めました。後に星野さんは、「自分にはもう自分を活かす将来の可能性はないと思うのは、思い込みでしかない。私はそのことに気づき、脱却できたからこそ自分の絵や詩の分野における潜在能力を開花させることができたのだ」といっています。

私たちにも自分でも気づいていない未知なる能力が数多く眠っていることは間違いありません。まして、皆さんのように勉強や進路、部活動などで目標をはっきりと持ち、努力しようとしている人たちは、更なる能力を開花させる可能性は十分にあると思います。すべての人に存在するこの貴重な力を、いざという時に発揮させるためには、私たちは普段から何をしておくべきでしょうか。多分、それはひたむきな努力を積んで、丁寧な生活を続けることではないかと思います。目標を持つだけではなく、強い信念も必要だと思います。ここぞという時に思い込みのブレーキを解除して、その力を得られるよう、これからも自分づくりに努力を惜しまないで頑張ってください。

校長講話

2019年12月24日校長先生から

みなさん、おはようございます。この時期、3年生の一部には、既に進路を確定した者もいると思いますが、受験の本番はこれからです。残された時間はそう多くはありませんが、勉強のやり方など工夫次第でまだ時間の確保も可能です。そして、ライバル・仲間の存在は、お互いを認め合い、励ましあい、称えあう姿勢を持つことで、自分のやっていること、取り組んでいることへの価値は一層高められます。ここまで受験や部活動で応援されてきて一区切りついた者は、ぜひ応援する側になってください。それは、毎日のようにメールで頑張れと送ることでは決してありません。大切なのは、一人ひとりがやらなければならないことに真摯に取り組み続けるということです。つまり受験生と一緒に目の前のことに努力することが重要です。受験は、学校を挙げて挑んでいくものであることを生徒全員が理解してください。そして、受験生諸君は、これからの生活で、できるだけ「できる」「なんとしてもやる」などの前向きな言葉を発するようにして、とにかく北海生らしく、ひたむきに前進してもらいたい。心から健闘を祈ります。

さて、私は先日、スノーボードパラレル大回転で5年前のソチオリンピックに出場し、銀メダリストになった竹内智香さんの講演を聞きました。その話の中に竹内さんが今の高校生に伝えたいといわれたことがあったので、それを交えて話をします。話題になっていたのは「今の日本のアスリートは、セカンドキャリアで苦しんでいる選手が沢山いる」ということでした。セカンドキャリアとは、ケガなどで若くして引退した後、途中もしくは定年後における第二の仕事ということですが、欧米と比べると日本のアスリートは圧倒的に競技者として専念する割合が高いとおっしゃっていました。例えば、竹内さんが1年ほど合宿をしたスイスでは、同じ競技者でありながら薬剤師であったり設計士であったり、とにかくもう一つ職業を兼ねている選手が普通だったそうです。彼ら、つまり欧米では、全員が全員スポーツで成功できるとは限らないことをよく理解していて、18歳まではスポーツだけではなく、とにかく学業を頑張ることが当たり前という事実を目の当たりしたそうです。もちろん、日本の高校生も部活動と勉強を両立する意識はあるけれど、将来の人生において起こりえる様々なケースを考えて学業に打ち込んでいるスイスの高校生とは、かなりの意識の違いがあることを私も知りました。

竹内さんは、18歳までに学業に打ち込むことが、将来の可能性を最大限に拡げてくれること、そして努力が実ってアスリートになった時には、その経験がむしろ強みになることを、熱く語っていました。高校生が部活動全般に取り組む意義には、競技力や技術の向上だけではなく、その活動を通じて学習意欲の向上につながるものでなければならないと私も改めてそれを考えさせられるものでした。

北海高校は部活動に頑張る生徒が多くいる学校ですが、部活動をする、しないは関係なく、もう少し学習に向かう姿勢を大切にして欲しいと思っています。既に十分に頑張っている人もいますが、それがベストであるとは言い難いです。まずは一歩前にでる努力が必要だと思います。例えば、授業を受けっぱなしにはせずに、普段から解るまで質問をするとか、知識の定着に向けた自分からの行動が必要だと感じます。そのようにして基礎力を養われたところに、部活動などもう一つの取り組みが加わることで、相乗的に自分を鍛えられることになるのだと思います。

明日から冬休みですが、皆さんには今年一年を自己点検し、来年の目標に「勉強を大切にする姿勢づくりに努力する」ことを掲げ、それが学校全体の雰囲気になるよう、みなさん自身の意識で高めていって欲しいと願います。体調を崩すことなく有意義な冬休みにしてください。

前期終業式 校長講話

2019年09月27日校長先生から

皆さんおはようございます。早いもので、今日で前期が終了します。

振り返ると学習はもちろん、北海祭や部活動など、様々な場面で北海生がひたむきに活動、努力し、活躍をしてくれました。また、今日も「いじめに関する講演会」がありましたが、皆さんの真剣な態度が印象的でした。いかに自分の心をコントロールするか、対話の中でのことばを一つとっても難しさを感じることがありますが、学校生活をよりよくしているのにこういった意識を持つことは大変重要なことです。そのようなこと全てを含め、改めて皆さんのここまでの頑張りに対して称賛いたします。そして、後期を迎えるに当たり、皆さんには、要所要所での振り返りを大切に生活してもらいたいと思っています。今日はそういう意味から、禅の言葉に触れて話をします。

その言葉とは、「脚下照顧」(きゃっかしょうこ)です。皆さんも四字熟語として聞いたことがあるかも知れません。この言葉の意味は、既に文字に現れています。「脚下は、あしの下と書くので自分の足元、いま自分がいる時間や場所、あるいは立場ともとれます。照顧は、照らす、顧みると書くので、よく見つめ直しなさい」ということになるのだと思います。

「自分の足元を見つめる」   これには色々な解釈ができますが、元々は仏教から来ている言葉ですので、「見つめるべき足元」とは「自分の本性」と考えることもできます。

例えば、玄関で自分の履いている靴がどんな状態になっているか、散らかっている状況があったり、きちっと整理されていたり色々です。そこに見えているのは、その人の性格そのものと見なされるでしょう。ただ、散らかっている状況があるにも関わらず、そのことに反省をせず、自己中心的な思考で生活をするような人は、自分の行動に意識を持てないどころか、周囲の出来事や変化にも気づくことができず、何も学ぶことができないのではないかと思います。

実は、私たちの普段の言動は、ときに「常識の無さ」を疑われることがあり、一般社会では、誰からも知らされずにただ厳しく批判されたり、あるいは、どんなに高い志や能力がある人であっても、誰もそのような人にはついていこうとはしない。そんな現実があります。

本来であれば、日々の生活の中で、継続的に自分の立場、置かれた状況を踏まえて、客観的に自分を振り返ってみることが大切です。しかし、どうしても私たちは何かのきっかけがないと、自分を省みることは中々できてはいません。

例えば、私たちは、いろいろな事の始まりに必ず目標を立てています。もちろん、途中、振り返りも心掛けますが、実際には過ぎ去ったことをないがしろにし、知らず知らずのうちに目標や将来の理想も曖昧にしてしまっています。また反対に、理想の自分ははっきりしているけれど、現実の自分との間に大きなギャップを感じ、「こんなはずじゃない」と嘆いているケースもあります。

ただそこで、「それは自分だけじゃない、みんなも同じだから」と甘く考えてしまうことは、本来、向き合わなければならないことから目を逸らすことになったり、妥協でしかありません。やはり、理想に近づきたいと思うならば、そこに向かって足を踏み出す以外はないということを、私たちは強く肝に銘じておく必要があると思います。

重要なのは、モヤモヤとしたまま時を過ごすのではなく、一度しっかりと立ち止まり、現状を正しく理解すること。そして、たとえ小さな行動でも、それが理想に向かえているという手応えを感じることです。

ぜひ皆さんには、日々の生活の中に、「脚下照顧」の考えを取り込んで、「今の自分にできること」その繰り返しから、確かな足取りで理想に向かっていって欲しいと願います。自分づくりはまだまだ続きます。百折不撓の精神で、後期も一生懸命に頑張りましょう。応援しています。

8月19日 全校集会 校長講話

2019年08月19日校長先生から

おはようございます。今年の夏は札幌も記録的猛暑日が続き、みなさんも自己管理には工夫が必要だったのではないでしょうか。それでも普段できないことにチャレンジをするなど充実した夏休みを過ごして今日の日を迎えてくれていると思っています。実際に多くの3年生が、毎日のように朝早くから学校が閉まるまで真剣に自習に励んでいた姿を見ました。この努力はいつか必ず報われるものだと思います。今日から授業が再開されますが、3年生はいよいよ具体的に進路を決定する時期がやってきました。とにかく残りの時間を大切にして、希望する進路実現に向けて信念を貫いてください。また、1・2年生には様々な選択が迫られる時期が近づいてきています。将来をしっかりと見据えた取り組みができることを期待します。

この後、夏休み中の全国大会に出場した各部からの報告会がありますが、暑い中で戦ってきた選手のみなさん、本当にお疲れさまでした。とりわけ柔道部女子個人−70s級の佐々木南さんは全国3位という素晴らしい成績を収められています。この場を借りて改めてみなさんの健闘を心から讃えます。

さて、夏休みに入る前の集会で、私はみなさんに信念を持って欲しいという話をしました。根拠のない自信を持っていても行動はできないが、信念を持つことで行動につながるという話でした。今日は、それに関わる話をします。

ロバート・クリーゲルというアメリカの心理学者が書いた本の中に「信念の源は情熱」であるということがらを見つけました。このクリーゲルという学者は、1500人を対象に20年間に渡ってある追跡調査をした人物です。世の中で自分の能力を十二分に発揮し夢を実現させている人と、いくら意識してもそうはならない人に、どんな違いがあるのかを科学的に検証したものでした。この研究の結論をいうと、優れた能力に恵まれているけど消極的に生活をしている人より、いわゆる凡人といわれる普通の人でも、何にでも情熱的に打ち込める人の方が、夢を実現できる確率が圧倒的に高いというものでした。つまり、情熱ある人は、リスクをものともせず、何が何でも目標を実現させることができるということです。ではここで「情熱とは何か」ということですが、アップルで有名なスティーブジョブズは、「情熱とは使命」であるといっています。使命はミッションともいいます。つまり、「自分はこれをすべきだ」ということを自覚することであり、それはどう生きるかということに置き換えられます。使命感を持つことは、自分の人生に情熱を傾けることだといっていいでしょう。

この休み中、女子ゴルフの全英オープンで42年ぶりの快挙という報道がありました。岡山県出身、二十歳の渋野日向子選手です。実は彼女がプロテストに合格したのは昨年7月です。その直前、彼女の地元では中国・四国地方豪雨という災害が発生していました。渋野選手は、復興が必要なのにこのままテストを受けていいのかと複雑な思いでいたそうです。しかし、被災された人たちから応援を受け、強い思いでプロテストを受けたことを会見で語っていました。使命という言葉は使っていなかったけども、『地元を元気づけるには、私が結果を出すしかない』と決意したそうです。きっと渋野選手は、その使命感をもって難関であるプロテストに合格をし、全英オープンの偉業もプロゴルファという自身の生き方に情熱を燃やす中で達成し得たものだと思います。

夏休み前、みなさんには校内で実施している「学校生活アンケート」に回答してもらっていますが、そこには「自分の進路が決まらないことへの悩み」や、「学習習慣の向上に対して行き詰まりを感じていることへの悩み」があることを見て取れました。進路とは生き方そのものですから簡単な訳は決してありません。だからこそ自分のことを深く理解しようとしたり、自分にとっての使命とは何かを考え、それを見つけていくことが大切になると考えます。実際の勉強時間の確保とかとは別にそういった心を養っていくバランスも重要であると言えます。節目となる前期終了まで約6週間、多くの選択に迫られる後期によりよいスタートを切るためにも、自分としっかりと向き合いながら丁寧に生活することを願い、今日の私の話を終わります。

7月21日 全校集会 校長講話

2019年07月23日校長先生から

改めてみなさんおはようございます。ただいま、大変多くの表彰をしました。本当にここまでの皆さんの頑張りに嬉しさを感じています。

また、先日は硬式野球部の全校応援がありました。試合は惜しくも敗れはしましたが、選手たちは北海生らしい粘りのある決してあきらめないプレーをしてくれました。それはまた、全校生徒の応援の力がそうさせてくれたものだと実感しています。実際、応援には大きな力が存在します。例えば、受験は団体戦であるともいわれますが、お互いに励まし合いながらそれぞれの目標に向かっていくことは、一人で取り組むよりも大きな力を与えてくれるものです。こういった力があることを信じて、ぜひ今後の生活の中に役立てて欲しいと思います。

ここで一つ報告になりますが、野球部キャプテンの辻本君が、今年の夏の甲子園大会の開会式で、全出場校の先頭を歩く先導役に選出されていることを紹介しておきます。今の阪神甲子園球場は、夏の甲子園第10回大会の1924年に完成したもので95周年を迎えています。95年前の開催初日の第一試合が静岡高校と北海高校の対戦でした。激戦のうえ勝者となったのが北海です。つまり、夏の甲子園大会初勝利は北海であったわけです。今年は元号も変わり、また101回大会という新たな歴史のはじまりの年になっています。そんな巡りあわせから、時を経てこのような形でみなさんと北海と全国の野球史を共有し、北海の名が知られることは、私たちにとって大変名誉であることだと感じています。辻本キャプテンには、ぜひ胸をはって堂々とその大役を務めてきて欲しいと思います。

さて、今日は、「信念を持つことの大切さ」について少し話をしたいと思います。

皆さんはエドモンド・ヒラリーという人物を知っているでしょうか。ヒラリーは、ニュージーランド出身ですが、イギリスの登山隊に所属して人類初のエベレスト登頂に成功した登山家です。ヒラリーは、登頂を成功させる前に、別の登山隊の一員としてチャレンジをしたことがありましたが、隊員の命を失うとともに失敗を経験していました。この失敗の直後、ロンドンの街中、多くの民衆の前でその報告会が行われました。このときヒラリーは、そこに飾られていた大きなエベレストの写真に向き直って、こう宣言したそうです。「エベレストよ、今回は私たちの負けだ。だが必ず舞い戻って登頂してみせる。なぜなら、山はこれ以上大きくならないが、私はもっと成長できるからだ」と。この宣言は、もはや国の威信をかけることだけではなく、命を落とした仲間や支援してくれる人たちへの強い誓いであったのだと思います。

私たちの周りにも乗り越えなければならない障壁はたくさんあります。大きなものとしては受験がそうです。普段の行動の中にも様々なものがあるはずです。いかにその障壁を小さくして乗り越え易くできるかという戦略的な考えもなくはないですが、本当に大切なのは、ヒラリーが言うように、自分を大きくして乗り越えていくのだということです。

そうすることで、人生の中の様々な障壁にもそう安々とは挫けることはないのでないかと思えます。しかしこれは、単に自分に自信を持つということではありません。自分を大きくするその唯一の方法となるのは、自分には必ず乗り越えられるのだという前向きさ、つまり決意であり信念を持つことです。人は自信を持つだけでは行動に至りませんが、信念には必ず行動が伴うということを、ぜひ私たちは学んでおきたいと思います。

自分はこうやるという強い意志を持って計画を立てても、気付くとその通りできていないことが間々に在ります。

もし皆さんも、自分には行動が伴っていないと思うことがあるなら、自分に強い信念があるかどうか、一度しっかりと検証をすべきだと思います。

そして、良い結果を得たいのであれば、それにふさわしい行動をとることが必要です。ぜひ実り多い秋を迎えるために、この夏にこそ強い信念を自分の中にしっかりと持って欲しいと願います。

いよいよ明日から夏休みです。まとまった時間がとれるというメリットと活かして、ぜひ自分を向上させることのできる時間の使い方を考えてください。特に3年生は、休みが明ければすぐに進路決定に向けての具体的な動きが始まります。進路意識の向上・学習の質と量など休み中の一定の取り組みが、進路実現のための決定的な土台になります。しっかりとした健康管理と時間を上手に活用することで、充実した夏休みを過ごして下さい。これで今日の話を終わります。