資料請求フォーム
  • Home
  • トピックス
カテゴリ
お知らせ(420)
学校公開(0)
校長先生から(40)
フォトギャラリー(6)
>2019年03月<
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
最近の記事
2019年03月22日ブロック大学語学研修参加生徒の保護者の皆様へ
2019年03月22日修了式 校長講話
2019年03月22日修了式がありました
2019年03月11日国公立大学 合格速報 3/11現在判明分
2019年03月07日ブロック大学語学研修と全国大会の壮行会
2019年03月01日卒業式 校長式辞
2019年03月01日第71回 卒業式
2019年02月28日どんぐり会展・樸星展 が開かれます
2019年02月28日校友会入会式がありました
2019年01月18日全校集会 校長講話

新着情報

札幌市にある北海高等学校から
新着情報をお知らせしています。

卒業式 校長式辞

2019年03月01日校長先生から

IMG_3772.JPG

式辞 陽射しにやわらかな春の兆しが感じられる今日この頃、一進一退しながらも季節は確実に移り変わっていきます。

本日この佳き日に、学校法人北海学園理事長、また北海商科大学学長でいらっしゃる森本正夫先生をはじめ、北海学園大学学長・安酸(やすかた)敏眞先生、北海学園札幌高等学校校長・大西修夫(のぶお)先生、そして北海学園理事・役員の皆様、校友会、PTA、旧職員など関係各位のご臨席を賜り、また多数の保護者の皆様が見守る中、ここに北海高等学校・第71回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない慶びとするところであります。北海高校の教育を支えてくださっている皆様に、あらためて心より厚く御礼申し上げます。

第71期390名、平成の時代最後の卒業生となる皆さん、卒業おめでとう。卒業の時を迎えた今、皆さんの胸にはさまざまな思いが去来していることでしょう。私たち教職員も、この3年間のさまざまな場面での皆さんの姿や表情を思い起こし、深い感慨をもって今日という日を迎えております。

この3年間、卒業生の皆さんの活躍には、誠にめざましいものがありました。文武両道に渡る各方面での皆さんの活躍を心から讃えたいと思います。皆さんの頑張りは、スターのマークに象徴される北海のスピリットの輝き、そのものであったといえます。

さて、本校の前身である旧制北海中学校第2代校長・戸津高知(たかとも)先生の話をしたいと思います。戸津先生は、明治5年(1872年)、仙台に生まれ、十八歳の時に北海道に渡り、本校の起源である北海英語学校、そして札幌農学校(現在の北海道大学)に学びました。農学校の卒業生として当初は北海道開発を自分の使命と思っていましたが、やがて「真の開拓は人にあると考え、教育界に行き、人物を養うことを志した」そうです。戸津先生は初代校長・浅羽靖(しずか)先生の跡を継ぎ、以来33年間に渡って北海中学、そして現在の北海学園札幌高校の前身である札幌商業学校の校長を務めました。戸津先生は自由主義的で寛容な、生徒の個性や自学自習、自治的精神を尊重する教育者でした。北海高校の自由で生徒一人ひとりの個性を大切にする校風は、戸津先生によって形作られたものであるといっても過言ではありません。実際、北海はその長い歴史の歩みの中で、実に多彩な人材を生み出してまいりました。

 その戸津先生は折に触れて生徒に「北海生よ、タンポポであれ」と語っていたそうです。「タンポポはどんな荒れ地にでもしっかりと根を下ろして花をつけ、種は風に乗ってどこまでも飛んでいく。社会に出てもタンポポであれ」と語りかけたのです。卒業生の皆さんも、タンポポの花のように自らが生きる場に深く根を下ろし、多くの人たちと力を合わせ、自分に与えられた一隅を照らしながら、たくましく明るく生きてほしいと願います。

また、戸津先生は「学校の優等生より、社会の優等生になれ」と口癖のようにおっしゃっていたそうです。与えられた勉強をしていれば学校の優等生にはなれるかもしれない。しかし、社会の優等生になるためには、もっと幅広い人間的な力が必要です。北海が人間教育ということを強く打ち出しているのもそのためです。

北海の卒業生には社会の優等生となった数多くの先輩がいます。皆さんにも、自分を人間的に高めることを通して、「世のため人のため」に尽くすことのできる、そんな「社会の優等生」をめざしてほしいと思います。 

二十世紀の最も重要な哲学者といわれるドイツの哲学者ハイデッガーは、その晩年、「シュヴァルツヴァルト」―ドイツ語で「黒い森」を意味する広大な森林地帯、そのほとりに位置する大学都市、現在では環境都市としても有名なフライブルクに住んで思索の生活を送りましたが、こんな言葉を遺しています。 

「柏の木は私に語りかける。成長するということは天に向かって枝をひろげることであるとともに、大地の闇の中へ根を張るということだ。同じように人間も、天の呼び声に耳を傾け、大地の慈しみに身を置くならば、やがて確実なものを育て上げることができよう」

 私たちは、生きることの姿と力を自然から謙虚に学ぶことが必要だと思います。耳を澄ませれば、花や木は、さまざまなことを語りかけてくれるに違いありません。花や木は人に見られること、評価されることを気にするなどということはありません。冬の厳しい寒さにじっと耐えて力を蓄え、春という季節の訪れの中で自然に花開く。私たちも、日々の生活にしっかり根ざして、自分の力を蓄えることに集中し、専念する、その蓄えられた力が、自然とその人の個性や魅力となってかけがえのない命の花を咲かせてくれるのだと思います。

 花も木も、そして人も、それぞれに与えられた生の条件の中で生きてゆきます。生まれ成長する環境・条件はそれぞれに違い、そして春夏秋冬、季節はめぐり、昼と夜があり、晴れる日もあれば雨の日も雪の日もあります。喜びに満ち溢れた時もあれば、悲しみ苦しみに打ちひしがれる時もあるでしょう。しかし、一喜一憂せず、どんな時にも与えられた条件の中で自分なりにベストを尽くす。そこにそれぞれにとってかけがえのない、生きて在ることの価値と、人生の意味が生み出されるのだと思います。

たとえ苦しく悲しい時も、その苦しみや悲しみと静かに向き合い、焦ることなく生きる力に変えていく、その営みこそが人間的成熟をもたらすのだと思います。「百折不撓」という北海のモットーも、そんな人間的成熟を導くものであってほしいと願います。 

 結びとなりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、本当におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。またこの3年間、北海高校の教育にご理解とお力添えを賜りましたことに、あらためて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

卒業生の皆さん、お別れの時がきました。卒業は新たな出発の節目に他なりません。卒業生の皆さんは、北海高校での3年間の生活を終え、それぞれ次のステージでの生活をスタートさせることになります。どうぞ北海高校の卒業生であることに誇りをもち、それぞれが選んだ道をしっかりとした足取りで歩んでください。

私たちは現在、変化が激しく、かつ困難な課題の山積する時代を生きています。とりわけ私たちの住むこの北海道は、課題先進地といってよいほどの厳しい状況に置かれています。自然災害が多発する時代ともなっています。そんな時代であるからこそ、現象に翻弄されることなく確かなものを見極め、困難に屈することなく未来を切り拓く、そんな人間像が強く求められています。それはいつの時代にも北海高校がめざしてきた人間像でもあります。卒業生の皆さんが、困難を乗り越えて逞しく生き抜き、新たな時代を切り拓いてくれることを心から期待しています。重ねて、自分らしく、よりよく生きるためにこそ百折不撓であれ、そう切に願ってやみません。

卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを祈念して、以上、はなむけのことばといたします。


平成31年3月1日           

北海高等学校長 山崎 省一