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札幌市にある北海高等学校から
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2017年03月の記事一覧

卒業式 校長式辞

2017年03月01日校長先生から

式辞 一進一退しながらも季節は確実に移り変わっていきます。陽射しにやわらかな春の兆しが感じられるようになりました。本日この佳き日に、学校法人北海学園理事長、また北海商科大学学長でいらっしゃる森本正夫先生をはじめ、北海学園大学学長・木村和範先生、北海学園札幌高等学校校長・大西修夫(のぶお)先生、そして北海学園理事・役員の皆様、校友会、PTA、旧職員など関係各位のご臨席を賜り、また多数の保護者の皆様が見守る中、ここに北海高等学校・第69回卒業証書授与式を挙行できますことは、私たち教職員にとりましてこの上ない慶びとするところであります。北海高校の教育を支えてくださっている皆様に、あらためて心より厚く御礼申し上げます。

第69期418名の卒業生の皆さん、卒業おめでとう。卒業の時を迎えた今、皆さんの胸にはさまざまな思いが去来していることでしょう。本当にいろいろなことがあったことと思います。私たち教職員も、この三年間のさまざまな場面での皆さんの姿や表情を思い起こし、深い感慨をもって今日という日を迎えております。

この三年間、卒業生の皆さんの活躍には、誠にめざましいものがありました。たとえば硬式野球部は全国最多出場記録を更新して37度目となる夏の甲子園大会出場を果たし、はじめて決勝に進出、敗れはしましたが準優勝という立派な成績を残して、北海野球部の116年に及ぶ長い歴史の中に、輝かしい一ページを付け加えてくれました。北海野球部のひたむきでさわやかな戦いの軌跡は、長く語り継がれることになるでしょう。また弁論部の中川梨花さんは昨年夏、広島で開催された全国高等学校総合文化祭弁論部門において、最優秀賞ならびに文部科学大臣賞を受賞しました。修学旅行での体験を基に、原稿用紙百枚にも及ぶ推敲と練習を重ねて獲得した日本一の栄冠でした。文武両道に渡る皆さんの活躍は、スターのマークに象徴される北海のスピリットの輝き、そのものであったと思います。

卒業する皆さんは、カリキュラムを改編して新しい体制でスタートした、最初の学年でもありました。特進コースでは七時間授業が復活し、「Sクラス」という新しいクラスも設置されました。講習や「セルフラーニング」と名付けられた自学自習の時間、毎日遅くまでひたむきに勉学に打ち込んだ皆さんの姿も忘れることはできません。今では早朝や放課後、学校のあちらこちらで、学年やコースを問わず、黙々と勉学に励む生徒の姿が見られます。皆さんが、新たな伝統を創り上げてくれたのです。
卒業する皆さんの三年間のさまざまな形での頑張りを、あらためて心から称えたいと思います。皆さんの頑張りと活躍は、北海生全体の誇りであり大きな励ましともなりました。

 以前、全校集会で渡辺和子さんという方の話をしたことがありました。渡辺さんは岡山のノートルダム清心学院の理事長を務められた方で、シスターであり、教育学者でした。旭川のご出身で、1936年に二・二六事件の犠牲者となった旧陸軍教育総監・渡辺錠太郎の次女としてこの世に生を受けました。昨年暮れに八十九歳でお亡くなりになりましたが、終生、シスターとしての、また教育者としての道を歩み続けられた方です。とりわけ、幸せに生きるための心構えを綴った著書『置かれた場所で咲きなさい』がベストセラーとなったことでよく知られています。
 渡辺さんは、その著書や講演の中で、人それぞれに与えられた生きる場所、必ずしもそこが自分にとって都合の良い場とは限らないけれども、ともかくも自分が置かれた環境の中で、自分なりの花を咲かせようと精一杯生きる、そこに人間として生きることの意味や人生の価値が生み出されるのだと説いています。
 たとえば、昨年の春、円山球場で行われた野球の全道大会で本校は当番校を務めましたが、北海野球部は残念ながら支部予選で敗退し、全道大会には出場することができませんでした。しかし、野球部の諸君は、グランド整備などの当番校業務に黙々と取り組み、大会のスムーズな運営のために力を尽くしました。試合には出場することができませんでしたが、一生懸命、与えられた役割を果たそうとするその姿に、「さすがは北海だ」と、関係者からお褒めの言葉をいただきました。数か月後、北海野球部は甲子園という大きな舞台で、自分に与えられた役割にベストを尽くして取り組む、ひたむきでさわやかな姿を見せてくれたのでした。野球部の諸君は、円山球場、甲子園球場、その時々に与えられた場で見事に自分たちの花を咲かせたといえるのではないでしょうか。
 皆さんがこれから歩む人生の道のりでは、つらく苦しい時も少なくはないでしょう。自分の意に沿わない場に置かれることもあるかもしれません。しかし、たとえ環境がどのようなものであったとしても、自分に与えられた生きる場で、自分らしく、よりよく生きようとする強い意思をもちつづけるためにこそ百折不撓であってほしいと思います。どうしても花を咲かせることができないこともあるでしょう。そんな時は根を深く降ろして、しっかり根を張ることに努める。困難や苦難を乗り越え生きる糧としてこそ、人はそれぞれにかけがえのない命の花を咲かせることができるのです。

 情報化社会が進展し、速さと便利さばかりが価値あるものとして追い求められる現代という時代。そうなればなるほど人間として生きることの実質がなおざりとなってゆくのではないか、そんなふうに思うことがあります。皆さんには、日々の生活を、その積み重ねである人生を、丁寧に生きることを心掛けてほしいと願います。渡辺和子さんは、「一つひとつの物事に、一人ひとりの人に心をこめて接してゆこう。一日一日に自分の人格をきざみつけてゆこう。そこに自分にしかつけられない『生の軌跡』がつけられてゆく」と述べています。「生きる意味」や「人生の価値」は、決して遠くにあるものではありません。「生きる意味」や「人生の価値」は、日々の生活の営みの中で、私たち自身が発見し、また創り出してゆくものです。そのことをぜひ忘れないでほしいと思います。

 結びとなりましたが、保護者の皆様、お子様のご卒業、本当におめでとうございます。心よりお祝いを申し上げます。またこの3年間、北海高校の教育にご理解とお力添えを賜りましたことに、あらためて感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。

卒業生の皆さん、お別れの時がきました。アメリカ英語では、卒業式はcommencementカメンスマントゥといいますが、この言葉は本来、改まって開始するという意味をもつ言葉です。卒業は新たな出発の節目に他なりません。卒業生の皆さんは、北海高校での3年間の生活を終え、それぞれ次のステージでの生活をスタートさせることになります。どうぞ北海高校の卒業生であることに誇りをもち、それぞれが選んだ道をしっかりとした足取りで歩んでください。私たちは現在、変化が激しく、かつ困難な課題の山積する時代を生きています。そんな時代であるからこそ、現象に翻弄されることなく確かなものを見極め、困難に屈することなく未来を切り拓く、そんな人間像が強く求められています。それはいつの時代にも北海高校がめざしてきた人間像でもあります。卒業生の皆さんが、困難を乗り越えて逞しく生き抜き、新たな時代を切り拓いてくれることを心から期待しています。重ねて、自分らしく、よりよく生きるためにこそ百折不撓であれ、そう切に願ってやみません。
卒業生の皆さんの前途に幸多からんことを祈念して、以上、はなむけのことばといたします。
平成29年3月1日           
北海高等学校・校長 山崎省一

第69回卒業式

2017年03月01日お知らせ

第69回卒業証書授与式が行われ、418名の卒業生が旅立ちました。
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